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小学生と忘れ物

学習塾マイポート塾長の平野です。


さて、今日は『小学生と忘れ物』について。
ちょうど、知り合いのママさんがお子さんの忘れ物についてフェイスブックで書かれていたので
家族カウンセラーとしての見解を書いてみたいと思います。
(以下の内容はADHDや発達障害の特性をもつお子さんの場合は意味合いが違いますのでご注意ください)
結構長くなると思うので困っている人だけ読んで参考にしてみてください。


私は塾の先生でもありますがカウンセラー歴10年の心理カウンセラー。マイポート初期の頃は子育てママさんや不登校でお悩みのご家族を中心にカウンセリング活動を盛んにしていました。最近は知る人ぞ知るみたいになってますが。。。


まず皆さんに知っておいてもらいたい大前提があります。

『人は子どもといえどもコントロールはできない』ということ。
ただし、小さいうちは親の力によってコントロールできると錯覚はしますけど。

子どもが何度も忘れ物をするという事実があるとします。
では、子どもが何度も忘れ物をする場合、誰が困るのでしょうか?
そのお子さんは本当に困っていますか?

忘れ物を何度もした場合、子どもが困ることは当然あります。
子どもが本当に困る体験をしたら、そこで子どもは学びます。
『ああ、困ったことになったな。今度から忘れ物をしないよう気をつけよう。』と。

不思議ですが
親が何度言っても、注意しても子どもってなかなかかわりませんね。だって本人困ってないから。

たぶん、こう思う方いませんか?
『厳しく説教したり、罰を与えたら忘れなくなるんじゃないか』って。

はい。
なくなるかもしれませんね。
でも、それは忘れ物をすると困るから自分で注意をしていこうという本来の心の働きではなく
忘れ物をすると親に叱られるから注意をするという本来の目的とはずれた心の働きになってしまいます。

こうして恐怖を回避するために忘れ物に注意をするようになると
親の目が届かない恐怖がないところでは効果が発揮されなくなってしまいます。
要するに罰が怖いから注意するだけで、自ら考えて前向きに忘れ物に注意するのではないわけです。
問題の根本が実は解決されないのです。
このことが最初の前提でお伝えした『人は子どもといえどもコントロールはできない』に繋がるのです。

小学生と忘れ物


もう一度お聞きします。
子どもが忘れ物を何度もすると困るのは誰でしょう?

はいそうです。
子どもが困ってないとしたら『お母さん、あなたが困る』のではないですか?

先生に注意されるのではないか
旦那さんや旦那さんのお母さんに子育てに関して文句を言われるのではないか
人から何か言われるのではないか
子どもが低い評価をうけるのではないか
ずっと忘れ物癖が直らないのではないか


これ全部共通していることがあります。
これ、お子さん自身は現時点で困っていないかもしれないのです。
これみんな実は妄想です。
あなたの『怖れ』です。

あなたが今起こっていない、起こるかもしれない未来を想像し怖れているのです=妄想
子どもが忘れ物をしたと聞いたとき誰か困っていますか?
困る事態になるかもしれないとお母さんが怖れているのです。

子どもが忘れ物をするのはあなたの『課題』でしょうか?
子どもが忘れ物をしたとしたら、それは子どもが自分で解決していく課題なのです。
あなたがどうこう言ったところで、怒ったって怒鳴ったって本当の解決はありません。
子どもの課題はあなたが解決すべきものではないのですから。
子どもの課題を親が解決できるはずがないのです。

あなたは子ども時代にまたは今でも困ったことが起きたとき親に解決してもらうことを自分を変えてもらうことを望みましたか?


あと、叱ったり怒鳴ったりすることの弊害をお伝えしておきます。

プリント、ノートを忘れたとして
その忘れ物を頻繁にすると人としての価値というものは損なわれるでしょうか?
親に愛される資格がなくなってしまうでしょうか?
いいえ、そこまでの話ではないですよね。

しかし!
子どもはそうはとりません。
何度も同じことを繰り返す自分に嫌気がさし自分のことが嫌いになります。
何度も親を怒らせる自分はダメな人間だ。
こんな自分は親に愛されなくてもしょうがない。


というように、無意識の中で自分の自分に対する評価を著しく下げてしまいかねないのです。
親は愛すればこそ叱るのでしょうが
実は叱れば叱るほど子どもは自分の事を愛せなくなり親からの愛情を受け取れなくなるのです。

どうですか?
怖くないですか?
ノートやプリントを忘れて一時的に人に迷惑をかけるよりよっぽど怖いことだと思いませんか?

子どもを信じてあげましょうよ。
この子はいつかきっと忘れ物というテーマに自分で気が付き取り組む日がくるということを。
あなたは子どものころ、自分の課題を親に解決してもらうことを望みましたか?

繰り返します
忘れ物は親の課題ではありません。
子どもがそのことを解決すべき課題だと自覚したときでなければ状況は動きません。
だとしたら親がすることは子どもを見守り信じるしかないですね。


最後にうちの小2の息子の話。
うちの息子も忘れ物がとても多いです(笑)
でも、別に叱らないのでそのことで自己評価を下げなくてすんでいます。
『今日忘れ物したけど、隣の子が優しいから貸してくれた~♪』なんて具合です。

もちろん、昨年度は学校の先生からよくご指導を頂きました。
連絡ノートにもたくさん。
でも学校の先生から御叱りをうけても息子を見守っています。
いつか本当に気が付く時を信じて。
(全く放置しているわけではないですよ。)

だって私も似たようなものだったですし。
今も忘れ物はよくします。
奥さんがせっかく作ってくれたお弁当を何度も忘れるくらい(笑)
でも我が家では笑って許され、夕食で美味しく感謝して頂いて終わりです。

忘れ物をしないという正しさを求めるよりも
家族の中にゆったりした優しい愛情を求めたほうがいい
なと私は思うのです。
みなさんはいかがですか?


最後にもう一度
その問題は誰の問題ですか?
解決すべき人は誰ですか?








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