数学が伸びてる子は何を見ているのか?
こんにちは。理数担当山ちゃんです。
今日は斐太高校1年生のある生徒の事例を紹介したいと思います。
先日、記述式の模試があったのですが、数学の偏差値64を超えてきた生徒がいます。
その子は部活も熱心に取り組んでいるので、ずーっと勉強ばっかりやっている、というイメージではないのですが、なぜ、これだけの成果が出せるのか?
この子が実力が問われる状況で結果を出せるのは、「付け焼刃的な勉強をしないから」であると言えます。
一般的な生徒は数学の質問をする際に、「先生、この問題の解法のここが分かりません」という質問をしてくることが多いです。しかし、この子は質問の質が違います。
例えば、次のような感じです。
「先生、この問題の解法は分かって、解くには支障なく解けるんだけど、なぜこうすると解けるのかよく分からないです。この解法はどういう狙いをもって問題にあたっているんですか?」
「先生、この公式は一応覚えて使ってはいるんですけど、なぜ成り立つのか、という部分がいまいち分かりません。問題を解こうと思えば模範解答は書けるけど、納得感がありません。公式の導出過程が知りたいのですが、解説をお願いできますか?」
問題が解けただけでは満足しないのです。何を掴むことが数学の勉強に於いて大切なことなのかを理解しているのだと思います。
こういう質問をして原理原則をきちんと把握しているので、問題が多少見たことのないものであっても、「この公式はこういう理由で成り立っているのだから、今回のケースではそのまま使うことは出来ないな。この部分をこう変えれば対応出来るに違いない」といった感じで、問題の状況に合わせてその場で理屈を組み立てて解くということが出来てしまうのです。
家電製品の修理業者さんが、家電製品の中身を詳しく知っているから、故障しても修理出来るのに似ていますね。
エアコンの中身を知らない人は、エアコンのスイッチを付けることは出来ても、故障を直すことは出来ません。これと同じで、
公式の成り立ちを知らない人は、公式をそのまま使うしか使い方が分からないのです。
大学入試の問題もセンター試験から大学入試共通テストに変わって、原理原則を使って状況に合わせて考えていく必要のある出題傾向に変わりました。「あなたはエアコンを使うことが出来ますか?」という問いから、「どうすればエアコンを直せますか?」というタイプの問題に出題傾向が変わったという事です。
数学が苦手な人は、問題の解き方を勉強する、という認識から、構造を理解した結果として問題が解けるという認識に切り替えてみてはいかがでしょうか?